病院

経済的援助制度

アメリカの新学期が2週間前から始まっている。

財政難でカリフォルニアの公立学校は今年もまた多数の人員削除があった。

特殊教育補助教員の私は 11月末まで長期病欠を取ったにもかかわらず、勤務年数が10年を越えたことで、職を失った人が多くいる中、席を補償してもらっている。

健康保険も失わずにすんでいる。

手術入院しても個人負担はわずか$100(8500円)ですむのだからこの健康保険は本当にありがたい。

乳がんは障害者手当の対象にもなるそうで、休みを取り始めた6月までさかのぼって障害者給付金も多少ながらも受けとり始めた。

税金を払っているのだから当然と言えば当然なのかもしれないけれど、まったく予想だにしていなかったのでこれもありがたい。

オバマの国民保険が実施されるようになったら、このような補償がはたして存続するかどうか疑問だけど、今はこの国のこんな経済的援助制度に感謝する。

内側にドレイン容器ポケットの付いた術後用キャミソール(各$53)。これも保険により無料となった。

アメリカ病院のイメージ

「お飲物はいかがですか?」

点滴を受けていると、青いジャケットに白いズボンをはいた女の子がカートを押しながら笑顔で尋ねてきた。

カートには様々な種類のジュース、お茶、そしてクラッカーも載っている。

ちょっと、新幹線の中にでもいるみたいじゃん。

と思いながら、お茶とクラッカーをいただく。

彼女は看護婦さんを目指す学生さんで、週に一度、腫瘍科にお茶のサービスをボランティアでしているのだそうだ。

手術の待合室にも同じように無料のコーヒーサービスがあり、入院患者がいる病棟にはグランドピアノがあって、毎日、決まった時間に生演奏がある。これもボランティアサービスだけれど、ピアニストの腕前は最高で、演奏が始まると、あちこちから人が集まってくる。

廊下にはまるで画廊のような絵や写真が飾られ、大きな窓からは、暖かい日差しと共に、緑の庭園の静けさが差し込んでくる。

入院患者を慰問する犬たちの肖像画

ギフトショップには、きれいなリボンをつけたお花や小物、アクセサリー、ぬいぐるみ、そしてバッグや洋服等もセンス良く置かれていて、用がなくても覗いてみたくなるほど。

日本の父がまだ生きていたとき、入院していた病院に訪ねたことがあったけれど、個室といいながら、父の部屋の窓は北向きで、かかっていたカーテンは黄色く色あせ、壁も殺風景で薄汚なければ、天井の灯りは裸電球だった。小さなテレビがあったけれど、有料で、お金を入れなければ映らないと言っていた。廊下に出ると、薬のにおいがプーンと鼻をつき、こんなところに一人でいれられたら、返って、病気が進行してしまう。と、陰気な雰囲気に、何週間も入院していた父を気の毒に思ったものだった。

この病院ちなみに、新館を建てたと聞いたけれど、今はアメリカの病院のように明るく、気持ちよくなっただろうか?

私の点滴日である水曜日は、ファーマーズマーケットの日で、病院の正面玄関の前に野菜やくだもの、菓子パン、チーズ、お花、等を売る露天市がたつ。ギターやサックスフォンの生演奏もあり、病院の駐車場がいっぱいになるというから、この市を目当てだけに来る人もいるのかもしれない。私もここでお買い物をするのが点滴の後のコースになっている。

病気や怪我の治療は決して楽しいものじゃない。だからこそ、少しでも心を癒せるようにと工夫を重ねるアメリカの病院は、ホテルのようにきれいで、居心地の良い所へと変わりつつあるように思える。

おいしいお料理を出してくれるようになったら、それこそ入院してもかまわないんだけど。

日本のデパート地下売り場のような、そんな食堂ができないかなあ!

 

 

 

 

 

看護婦さん、素敵です!

点滴の準備をする看護婦さんの両耳に光るイヤリングが視線を引いた。
点滴用椅子に座って、彼女の問診に答える間も、細い輪を描く金のイヤリングのデザインが可憐で、目が離せない。
間があいたところで、「そのイヤリング素敵ですね。」と伝えると、
「ありがとうございます!昨日ポロのお店で見つけてね。夫が買ってもいいっていうから、買っちゃいました。」と、うれしそうに答えられた。

「看護婦さんたちがカラフルな洋服着たり、素敵なアクセサリーをつけてたりすると、患者の私もハッピーな気分になります。」

「そうなんですか?そしたら私は明日からもっと明るい服をきるようにします。」

アジア系30-40代の彼女は色黒で、確かに黒っぽい地味な服を着ていたから、明るい色を着たら、もっと健康そうで、美人にみえること、間違いなし!

彼女たちが点滴のときにかぶる、シャワーキャップのような一見ダサイ帽子も、カラフルで、楽しい模様が一杯だったりすると、可愛く映る。
髪を剃った私も欲しくなってさっそく2つも通販で買っちゃった。
nurse cap  cap pink

 

長い真っ赤な爪や、入れ墨は流石に場違いと、歓迎できないけど、看護婦さんだって女性だもの。
「美しい看護婦さんたちに囲まれたら、やっぱり患者も気分が上昇するはず。」

さらにそう話すと、

「子守りをしてくれてる義母がいつも仕事の話を聞きたがるんですけどね。看護婦の仕事は大変で、なかなか良い話ってないんです。でも今日は『うれしいこと言われた』って話せます!」と、にっこり。

なるほど。
病人のお世話をする看護婦さんや医師たちは、いつも笑顔で親切に対応してくれるけど、重い荷を背負った患者さんたちと一日一緒にいると、やっぱりエネルギー吸い取られちゃうんだ。
これから積極的に、きれいとか、うれしいとか、言葉で現していこう。

そしたら、彼女たちの笑顔が倍に輝いて、こちらも思わず微笑みたくなって、ハッピーな気分が相乗効果を奏して広がっていくだろうからね。

今日は言いそびれたけど、彼女の首にかかっていた十字架もすぐ目に留まった。
今度会ったら、「クリスチャンですか?私もです。神様はいつだって素晴らしい!」と伝えよっと。

夫も肺炎で再び入院

私が退院した頃から喘息持ちのジョージの咳が酷くなり、やっと金曜日に重い腰を上げて病院へ行ったら、なんということか、彼も肺炎にかかっていると言われて帰ってきた。

今日の日曜日は月に一度の説教をさせて頂く日で、午後には、この日のために、1時間半のドライブをしてわざわざ礼拝に来てくれる義母の83の誕生日を息子たちも一緒に祝う予定になっており、「変更できない。」と、抗生物質を取りながら益々忙しく準備をする彼を横目で見て、今度は私がサポートする番と、がんばった。そしたら、夜になって、また体調が崩れ、ソファーから起き上がれなくなった。

ゴホゴホと咳をし、腫れ上がって赤くなった目をしながら、「何か僕にできることある?」と言ってくる彼をみて、このまま夜を明かして彼に心配かけるより、緊急病棟へ行った方がよいと、入院準備をして夜の9時半頃、病院へ出かけた。

レントゲンの結果、肺炎は治っていることが分かったので、一旦は帰宅と言う言葉もでたのだけれど、頭痛も悪寒も喉の痛みもあり、結局翌日の土曜日午後まで入院させてもらった。

帰宅後、それでも今朝まで力がでず、ジョージも顔色が悪くて、ベストのコンディションからはほど遠いものだったけれど、無事予定通り全てをこなすことができて感謝。

誕生日のお昼を済ませた頃からは、私の体調はすっかり良くなり、ジョージも改善している模様。

今年はこれで3度入院したことになるけれど、新築されたばかりの病棟の個室はホテルのように静かで綺麗で、看護は厚く迅速、ベットも快適なら食事もおいしくて、ジョージに負担をかけることもなく、汚れた食器を心配する必要もなく、安心して静養できた。

良い経験をした後では、カイザー病院は、私にとっては第二の我が家だな、とさえ思えてくる。

ありがたいことだ。