神は本当にいるのだろうか?
天国は本当にあるのだろうか?
悪いことが次から次へと起きる時、癌が進行していく時、こんな疑問に信仰が揺るぐ時がある。
そんな時、過去を振り返り、神が私の人生に介入してくださった時のことを思い出す。
危うい事故や障害から息子たちが守られ成長したこと
神の技を目撃する場となった臓器移植支援を与えられたこと。
私の信仰を笑っていた両親が晩年クリスチャンに導かれたこと。
健康保険を癌になる前に変更できたこと。
神はいると感じさせる経験は、まだまだ多数あるけれど、もう20年近く前、一生薬を飲み続けなければならないと言われた甲状腺低下症が、癒しの祈りによって完治した時の経験は、身をもって体験した奇跡だった。
聖霊が触れた
当時、私たち家族は小さな日本人の教会に通っていた。
そこに、東京から癒しの祈りができるという牧師がやってきた。
「癒しが必要な方はどうぞ前にいらしてください。」
そう言う彼の呼びかけに応じて、彼の前に立った。
牧師は私の両肩に手を置いて、彼の祈りに合わせ、心の中で、自分でも祈ってほしいと言い、私は、目を閉じ、甲状腺低下症がなおりますようにと祈った。
すると、頭から何か温かいものが注がれたような感触を覚え、その感触は体中を通って足のつま先まで走った。
同時に、体がポカポカと暖かくなり、体中の筋肉がリラックスして、立っていられなくなり、私は後ろに立っていた人の腕の中に倒れこんで、そのまま床に仰向けに横たわった。
暖かい、なんとも言えない心地よい感触は2−3分ほど続き、そして何事もなかったかのように消え去った。
それから数週間ほどして、医者を訪れると、「血液検査の値が全て正常になっている。何があったのですか?」と驚かれた。
考えつくことといったら、あの癒しの祈りしかない。
そう答えると、「世の中、時々そう言う事があるのですよね。」というようなことをおっしゃり、念のためにまた来月検査を受けるように言われた。
そして、翌月の検査も正常値で、もう薬はいらないと、完治宣言を受けた。
聖書には、癒しの油が注がれる話、聖霊が弟子たちに降りる話がのっているけれど、私はまさに、それと同じ体験をしたのではないかと思っている。
癌告知を受けた時、実は再度この癒しの祈りに預かりたいと、この牧師を探した。
やっと見つけた牧師は、今も現役で仕事をされているようであったけれど、残念ながら、私の出したメールに返事はいただけなかった。
「私の恵みはあなたの上に十分である。(あなたはもう充分恵みを受けとっているではないか。)」ーー(第二コリント12:9)
そう神はおっしゃっているのだと思い、それ以上求めることを諦めた。
でも、神を疑いたくなる時、あの時の体験が、他の奇跡と共に、私を確信へと引き戻してくれる。
ここまで書いてきたら、あの時のことがまた鮮明に思いだされ、今、神をとても近くに感じ、まるで抱かれているような気がしてきた。
嬉し涙が溢れてきて、文字がにじんで見えない。