医療保険

癌患者が病院から追い出される!

4月4日付けの驚愕のニュース。

増え続ける政府の大赤字対策として、メディケア(アメリカ高齢者医療保障制度)も歳出削減の対象となり、今月からこの給付金が削減され、その結果、メディケアを利用しているがん患者は病院から拒否され始めたと言う。

メディケアとは66歳以上の高齢者及び私のような癌や難病、障害を持った人たちを対象とした連邦の医療費補助制度で、国が薬、医療サービス料を患者に変わって一部、或は全額肩代わりする制度。

報道によると、国民の税金でまかなわれているこのメディケアのコスト削減(2%)が実施されるのは4月8日の月曜日から。がん患者を多く扱う病院では、給付金が減ると、高い抗がん剤の負担が病院にかかってくることになり、それでは会計が成り立たず病院が倒産してしまうと、がん患者数を減らす選択を余儀なくされることになったという。ある病院では、1万6千人のメディケア患者のうち1/3を切り捨てることを決定したそうだ。

癌転移の診断を受けた昨年、私自身、退職した学校区から現在の保険をメディケアに変更することができると勧められた。迷ったけれど、オバマが再選されたら、オバマケアと呼ばれる国民医療保険制度が実施されるようになり、そうなると、メディケアは削減されるという話を聞いていたため、変更をしなかった。

国民医療保険制度はまだ実施されていない。なのに、メディケアの削減が始まったとなると、オバマケアが始まるときにはメディケア等消えてなくなってしまうかもしれないとさえ思えてくる。

メディケアに変更しなくて本当によかった。でも、これから使うT−DM1は一月に$1万ドル(約100万円)もかかると聞いている。現在の保険では、私の負担金はゼロと予想しているけれど、私が払わないということは、病院が払うということで、それを思うと、こんな報道を聞いた後では片身が狭くなる。

私は幸運にも対象外だけど、治療を切り捨てられる大勢の患者さんたちは一体どうなるんだろう?

アメリカでは癌は心臓病に続いて2番目に高い死亡原因とされ、癌にかかる確率は男性では2人に一人、女性では3人に一人と言われている。さらに癌と診断される患者の77%は55歳以上。メディケアを利用している人たちは多ぜいいるに違いない。なのに、こんな患者たちを切り捨ててしまうなんて信じられない!いったいこの国はどうなっちゃうんだろう!

保険変更は神業

日曜日の夜、”60 Minutes” という人気ニュース特番を見て、目が飛び出すほどの超高額な抗がん剤のために、治療を受けたくても受けられない人、或は、破産する人さえもいるということを知った。

番組の中では転移大腸がんの2薬アバスチンと新薬Zaltrap (別名アフリベルセプト)を比較し、効果はほとんど変わらないのに、アバスチンは月$5,000、新薬Zaltapは$11,000もすると、まず、その驚くべき値段を強調。

製薬会社は、「それだけ薬の開発にお金がかかっているのだ。」と、その莫大な値段の理由を説明するけれど、インタビューを受けた医師は、

「製薬会社は、たとえ効果や副作用が同じであっても、高額であればあるほど高いコミッションを医師に払い、より高い薬を売りに出している。」と、驚愕の答え。

「藁をも掴む思いでいる患者を食い物にしている。」と言う取材者に、同じ医師は、「保険制度も悪い。自己負担をもっと減らすべき。」と答えていた。

こういう話を聞くと、世の中、弱肉強食、血も涙もないと思えてくる。

癌と診断される半年前、2009年の秋に、それまでのPPOという、医師や病院を自由に選べる保険から、現在のカイザー病院でしか使えないカイザー保険に切り替えた私の抗がん剤自己負担額はゼロ。

自分が癌になるなどということはもちろんのこと、抗がん剤の自己負担がゼロになるということも全く知らないまま、単純に、月々の掛け金が少なくなる、自分で医師を探さなくてよいという理由で切り替えたのだけど、もしPPOのままでいたら、と思うと身の毛がよだつ。自己負担額が15%だったとしても、5年間の治療では、大変な借金をつくることになっていた。というか、とてもじゃないけど、今日まで治療を続けられなかっただろうな。

なんとありがたい神様の導きだったことだろうと、改めてこの超特大のGraceを認識。

感謝、感謝、感謝!