ガマの油

生アーモンドが癌を治すってホント?

生アーモンドを日に30−50個食べると癌が治る。という説が「がんの特効薬は発見済みだ!」(岡崎公彦著)という最近出版された本の中に書かれていた

本を書いた岡崎医師は、生アーモンドに含まれるベンズアルデヒドという有機化合物が癌をやっつけると説明する。

本当かなあ?と、さっそく検索してみた。

 ベンズアルデヒドを含むのは食べられないアーモンド

アーモンドには食用の甘いものと、スキンオイルに使用される渋いものと2種類あるそうだが、ベンズアルデヒドが含まれているのは食用ではなく、スキン用の渋い方のアーモンド。このアーモンドが口の中で砕かれると、アミグダリンという物質が分解されベンズアルデヒドになると言う。

ただし、アミグダリンが砕かれる時、ベンズアルデヒドと一緒に猛毒のシアン化水素(青酸)も生じるのだそうだ。

シアン化水素は殺人小説の中にも登場しているほどで、大人では渋いアーモンド20個,子供やペットでは少量でも呼吸困難におちいり死んでしまうというからびっくり!

アーモンドでは癌は治らない

これを理由にアメリカでは岡崎医師が薦めるベンズアルデヒドを含む生の渋いアーモンドは販売を許されていない。

メキシコではアミグダリンが癌治療薬として販売、利用されているというが、アメリカではこの毒性を理由に販売/使用が許可されていないほか、制ガン作用も証明されていないという。

市販されている甘いアーモンドは、もちろん安全で、LDL(悪質)コレステロールの値を下げ、心臓病や糖尿病の予防になる他、お肉の代わりのタンパク源となって、体重減少にも効果があるとのこと。優れた健康食品であることには間違いないが、ベンズアルデヒドは含まれていない。

生アーモンドを食べると癌が直るという説はもろくも消え失せ、岡崎医師は事実半分を「ガマの油」に織り込んで宣伝していることになる。癌の代替療法はいくつもあるが、癌を治す前に命を落としかねない危険なものも多いような気がしてきた。

人を助けるべき医師がなぜこのような、初心者でも分かるような嘘を本にするんだろう!?本の中には、さらに怪しい民間療法も紹介されていたけれど、医師が苦しんでいる癌患者を食い物にするなんて、こんな危険な本は即発売禁止にすべき!気をつけよう!

アルカリイオン水の嘘

「癌は酸性環境の中では活性化するので、体をアルカリに保つレモン水を飲んだり、アルカリ性食品を食するのがよい。」

こんなメールが幾度と回ってきた。

他のがん患者さんから、体内をアルカリに保つための食べ物というリストをいただいたこともある。

最近は近所に日本のエネジック会社が進出してきて、普通の水をアルカリ性にするという還元水生成器を売り出した。この生成器のお値段は$3000もするそうだ。

癌になってから、「試してごらん」と言われた食品、サプリは数えきれないほど。いつのまにか、試す前に、検索する習慣がついた。

確かに、試験管の中では、アルカリ性より酸性水の癌の方がより成長がはやかったそうだ。でも、これは試験管の中の話。

私たちの体はアルカリと酸性のバランスを保つようにできているため、体の中が酸性、或はアルカリ性に傾くと、腎臓や呼吸機能でそれを修正するようにできていて、いくらアルカリ性のものを口にし、酸性のものを避けても、体の中のバランスをアルカリ性に変えることは不可能と知った。

大きな無駄遣いをせずにすんでよかった。

信頼失った口腔外科医

露出したインプラントの下の骨、恐らく慢性感染だろうけれど、癌の可能性もありえる、生検が必要だ、と口腔外科医に言われたので、腫瘍科医に顔の整形外科医を紹介してもらい、来週月曜日に予約を取った。

すると、口腔外科医から電話があり、「癌じゃない。話を先取らないように。インプラントの下で何が起きてるか知りたいから生検は必要だが、整形外科医じゃ、インプラントを取り除くことはできないだろうし、歯の専門病理でなきゃ、診断を間違える可能性がある。インプラントを取り除く手術を23日にしてよいか?」と言ってきた。

(癌じゃない?話を先取るな?
私4期の乳ガン患者なんだけど。
おまけに癌が成長してるんだけど。
たとえわずかな確率だって、癌かもと言われたら、可能性を重要視するのは当然でしょ。)

頭の中に要注意の黄色の旗が立つ。

「生検はインプラントを取り除かなくてもできると言ったのでは?」と質問すると、

「癌であってもなくても、インプラントは取り除かなければならないから、一度にまとめてやってしまいたい。」
「23日を逃すと、次はいつになるか分からない。」とおっしゃる。

(話が違う。また焦るようなこと言ってる。)と2本目の黄色、注意、の旗が頭の中に立つ。

「インプラントを入れてくれた歯医者とも今相談してるんですが、生検も含めた治療費の見積もりを出していただけませんか?」と質問すると、
「それは同意書にサインをしてもらってから。」

会計不明瞭と、黄色の旗3本目。

「インプラントを入れた歯医者は口腔外科医ではなくて、普通の歯医者だろう?」とも。

(普通の歯医者だけど、上手に入れてくれました。自分しか治療はできないって言ってるんだ。プライド高い。)と、黄色の旗4本目。

初診から約3週間、「慢性感染だったら早急な治療が必要」と言ったのに、こちらから催促しても何も言ってこないので、腫瘍科医や元の歯科医と相談していた。それを知ったとたん電話をしてきて、なんだか強引に予約を決めさせられたような気がした。

電話を切って、(この先生嫌だ。どれだけ腕が良いか知らないけど、金儲け主義なんじゃないの?信頼できない。)と思った。
そう言えば、初診の際、あまり視線があわなかったようにも思う。

癌の可能性はこれでさらになくなった訳だけど、整形外科医との予約はそのままにし、インプラント除去は元の歯医者に頼むことにした。

フコイダンスキャンダル

やっぱり。ガマの油だと思ったんだ。

ロサンジェルス群上級裁判所から手紙が届いていることに気がつき、何だろうと思って封を開けた。

「2015年7月17日以前にカメリカ社の海の雫フコイダンを購入または使用した場合、集団代表訴訟和解による給付金を受けとることができます。」

大きな文字による見出しがすぐに目に飛び込んできた。

手紙によると、誰かが誇大宣伝に集団訴訟を起こしたそうで、会社側は宣伝につかった詳細写しを自主的に提出ものの、結局、二者間、和解することになったという。

フコイダンはもくずから造った自然サプリで、免疫力向上に効果があり、特に、大量に摂取することで、サジを投げられた末期のがん患者の癌が縮小、又は消失したという例がいくつもあるというふれこみだった。

告知を受けたばかりの2010年、まだ癌について何も知らなかった当時の私も、藁をも掴む思いで、このサプリを試した。

日本からフコイダンを治療に使っているという医師がやってきて、説明会があると聞き、出かけたこともある。いくつかの質問を用意していたのに、質疑応答の時間がなく、さらに不信感をいだいて帰宅したものだった。

結局癌は大きくなるばかりで、手術時の病理結果が大変悪かったことをきっかけに止めた。

このフコイダンは一瓶3万円ほどしたから、かなり投資したことになる。

手紙を読んだ後、フコイダンのサイトを検索してみた。
あんなに医師の写真やら、癌が治ったという症例が載っていたのに、全てはきれいになくなっていた。代わりに、
「このメッセージはFDA(米国食品医薬品局)によって評価されておりません。海の雫フコイダンは、病気の診断、対応、治療および病気を予防を自然に防ぐものではありません。」という注意書きが書かれていた。

癌患者の足下を見て食い物にする悪徳業者は山ほどある。一つまた采配がくだされて本当によかったけれど、癌患者は、簡単に治るというふれこみの誘惑に負けず、十分に正しい判断をしていかなきゃならない。