June, 2016

愛が止まらない

先週は3日間連続で、また聖書クラスから大勢の友達が入れ替わり、立ち替わり、ジョージと私の応援をするために、ガレージを掃除したり、庭の雑草を取ったり、色あせた軒のペンキを塗り替えたり、壊れた塀を直したりしにやってきてくれた。

初日、皆と一緒に庭仕事をした私は1日が終わったらクタクタ。翌日はわずか半日でダウン。一人部屋に戻って長い昼寝をさせてもらう始末だったのに、皆は、私より年上のすでに退職した60代後半から70代の人たちでありながら、朝の9時から夕方の4時まで、強い日差しに顔を真っ赤に日焼けさせながら黙々と働いてくださった。
Three Day volunteering

皆の体力と、技量、知識にはもちろん感心させられたけれど、何よりも、私たちのことを思ってくださる心優しさに胸を打たれた。

癌と戦うのは私で、パーキンソン病と戦うのはジョージでありながら、後ろに控えて支えていてくださっていることが十分に伝わり、元気を一杯もらった。

昨晩のこと。

何気なく窓から表の庭を眺めたら、一通の封筒が落ちていることに気がついた。

誰かが木戸越しに投げ入れたらしい。ジョージと私の名前だけがマジックで大きく書かれた封筒を開けると、中から、「二人の健康を祈っています。イエス様ありがとう!」という言葉と一緒に、たくさんの現金が出てきた。誰がくださったのか、送り主の名前はどこにもなかった。

私たち夫婦は、こんな余りある親切を受ける資格などどこにもない。お礼を返す力もない。

神様が、一人一人の方たちの心を動かして、「愛しているよ。」と、また熱いメッセージを送ってくれたのだと、胸がジンジン。

進行する癌に対抗するように、続いて止まない神様の深い愛にジンジン!

別れ

今日は、6年ピアノ指導を続けた生徒の最後のレッスン日だった。

大きく成長した彼女はこれから新しい、上級の先生のところへ行く。

小学生になったばかりの彼女が、お母さんに手を引かれて初めて私のところに来たのは、癌告知を受けてまもなくのことだった。

ヤマハ講師になった時から30余年続けたピアノ指導を、闘病に専念するつもりで、辞めることにした直後のことで、お休みが幾度も入ったり、長く教えられないかもしれないという状況を理解していただいたことで、レッスンを引き受けた。

文句を一言も言わず、覚えが早く、よく練習する子で、特にこの一年素晴らしく上達したダントツの生徒だった。

そんな彼女と別れるのはとても寂しいものがある。

でも、心配した癌にレッスンを中断されることもなく、6年間神様が与えてくださった仕事を完了できて満足。

この世には辛い別れがいっぱいあるけれど、いつか、この世の歴史が終わる時、別れのない神の御国がやってくる。

それを信じて、それを楽しみに、少女とのページを閉じる。

タイケルブ再登場

明朝からいよいよタイケルブ(250mg x 4錠)をアブラキサンとハーセプチンに加える。

アブラキサンはパクリと基本的には同じということなので、タイケルブを加えるこの組み合わせは、3年前寛解に導いてくれたゴールデンコンボと同じということになる。

でも、あの時は1クールが4週間であったのに対し、今度は3週間。タイケルブは毎日になって1週間の休薬期間がない。(もしかして、4錠が5錠になったら休薬期間があるのかも?)

下痢や湿疹に悩まされ、錠数を2錠から規定量の5錠へと、体を慣らしながら6ヶ月かけて増やしたタイケルブだったから、(手術をしなければならなかった肉芽腫もタイケルブのせいと言われた。)結局副作用を克服して2年続けることができたわけだけど、あれから3年も経って、体はタイケルブにどう対応すべきか忘れちゃってるかもしれないし、休薬期間がないと副作用から回復する余裕がないのではと、これも心配になる。

普通、抗がん剤の2度目の使用は初回ほど効果が現れないとされていることも心配の種。事実、T−DM1、ゼローダ、パクリと、2度使った薬はどれも2度目の使用では、副作用は前回より強く、効果は薄れてしまっていた。

タイケルブの2度目使用も同じ結果に終わる可能性は高い。

目をつけていたPoziotinibの治験は、第一相の治験結果を治験先に聞いたら、癌が進行しなかった期間の中間値はわずか13.38週(約3ヶ月)であるのに、副作用は激しい下痢と顔に出る湿疹で、CTスキャンも今の倍の速さの6週おきに取らなきゃならないと知り、わりに合わないと、ボツにすることにしたので、それでもこれからはタイケルブが頼みの綱。

副作用に悩まされず、まずは3ヶ月続けられたら嬉しい。

医師に勧められた治験

生検により癌細胞を取り出し、それに適した薬を探す遺伝子テストは、昨年も試みたことがある。でも、今回医師が勧める遺伝子テスト治験は、これとは違った分析をして適合薬の判断をするのだと言う。

第二相にあるこの治験で使われる薬は全部で24種あり、これらの24種の薬の効果と副作用を調べることがこの治験の目的の一つ。

第一相治験の結果では、使われた薬は10種だったためか、癌遺伝子とこれらの薬が適合した人はわずか9%だったそうだ。第二相治験では薬の種類が2倍以上に増え、さらに期待できそうな薬が開発されれば、随時この治験に加えられていくので、関係者は適合確率が20−25%になることを期待しているらしい。

参加対象者は、治療選択肢がなくなってきた人で、縮小したかどうかサイズを測れる癌であれば、乳がんだけにとどまらない。

昨年8月にこの治験が始まった時は、応募者が殺到し、参加者の募集は10月であっという間に打ち切られたそうで、再募集が始まった今回も、もたもたしてるとまた募集が打ち切りになるかもしれないと医師は言う。

タイケルブを加えることにした現在の治療については、先日のCT結果が悪かったことを考えると、十分でないかもしれないとおっしゃる。

でも、治験に参加するためには約10週間、全ての治療を中断しなければならず、そこまで待っても、私の癌が治験薬に適合する可能性は20%以下で(HER2+に使える薬は2種だけかも?だとすると確率は数%。)、さらに治験薬を使えても、その効果はどこにも保証がない。

どっちもどっち。さあ、どうしよう。悩むなあ。

日立でワクチン治験?

現在の抗がん剤の効果も、医師に勧められた遺伝子テストによる治験薬も期待出来る確率が最小なら、もっと検索を続けて効果の確率が高い治療を探すべきと再び検索を始めた。

前回検索した時はClinicalTrials.gov を使い、今回は国立癌研究所(National Cancer Institute)のサイトを使ってみた。どちらのサイトも世界中のガン治験が集められているのだけれど、微妙に違って、前回の検索では見つけられなかった治験を今回のサイトに見つけたり、同じ治験でも、前者には含まれていない治験場所が後者には含まれていたりした。

転移HER2陽性乳がんでしぼったら、どちらも200件を超える治験が見つかり、これらの中にはトリプルネガティブやホルモン陽性乳がんのための治験も含まれていたものの、アメリカの治験の数の多さには全くびっくり。こんなに治験の数が多いのはこの国だけだろうなと、アメリカが医療大国であることを再認識。そんな国に住んでいられることを感謝した。

で、この200を超える治験内容を一つ一つ読んでいったところ、その中に2年前、このブログでも紹介した樹状細胞ワクチンの治験を見つけた。

初めて人を対象にワクチンの効果を調べる第一相の治験ではあるのだけれど、治験場所にカリフォルニアを見つけてまずニッコリ。そしてその下には、Irvine市、Hitachi Medical Systems America Inc(日立医療システムアメリカ社)とあるのを読んで驚いた。

日立って、あの電化製品の日立のこと?と思い、早速Hitachi Medical Systems America Incのホームページを見てみた。CTとかMRIとか、医療機器を製造販売している会社のようで本社はオハイオ州。治験のことはどこにも書いてないし、癌治療の研究をしているような気配も全くない。

?マークを頭につけながら、それでももしこれが間違いじゃなくて、我が家から車で1時間の距離のアーバインでワクチン接種をしているなら、期待できるかも!と、早速留守電を残した。

明日は返事があるだろうか?

ワクチン治験:ネズミになりたい!

「ワクチンの治験、ネズミでは大成功だったんだって。」

「それじゃあ、尻尾と、大きな歯とチーズ用意してあげる。」
友達とそんな会話をして大笑い。

ワクチン治験について、2度も留守電残したのに、依然日立からは返事がないものの、この治験の本山であるNCI(National Cancer Institute)からはいろいろ嬉しい情報を受け取った。

!)経費

高額な治験薬やCTやMRIなどの検査費は、治験のスポンサーが負担してくれる場合もあれば、医療保険に頼らなければならない場合もある。医療保険に頼らなければならないとなると、私のカイザー病院保険はカイザー病院のみの保険なので、カイザー病院外で行われる治験への参加は自己負担となり、そうなると不可能ということになる。

でも、このワクチン治験では、治験に必要なi医療費は全てNCIが負担してくれ、さらに交通費や一部宿泊費も出してくれると言う。
もしIrvineの日立で治験が受けられなければ、他の州に4週間毎飛ばなければならないけれど、これなら可能。

2)ワクチン接種の方法

命がけのTIL(腫瘍内浸潤リンパ球)療法とは違って、こちらのワクチン療法は、1−3時間の注射器を使った白血球採取と採取した白血球から作られるワクチンを4回接種して終わり。ワクチン接種直後、インフルエンザにかかったような頭痛、発熱、悪寒等の症状が出るらしいけれど、リスクは少なく、入院は不要とのこと。

樹状細胞が含まれる白血球は、献血採血と似ていて、片腕から抜かれる血液は血液を分離する機械を通り、再び反対側の腕に戻される。

樹状細胞が含まれる白血球採取は、献血採血と似ていて、片腕から血液が抜かれると、血液を分離する機械を通り、再び反対側の腕に戻される。

3)効果

第一相の治験なので、人(HER2陽性癌患者)を対象にした研究結果はまだないということなのだけど、この治験の裏にある仮説とネズミを使った動物実験結果は、ワクワク心をはせるものだった。

Her2陽性患者にとって大切な癌分子標的薬であるハーセプチンやパージェタ、カドサイラは、HER2陽性癌の特徴であるHER2タンパク質のほんの一部だけにしか働かないのだそうだ。それに対し、ワクチンは複数の抗体を誘発し、HER2タンパク質をさらに広範囲で攻撃する仕組み。

HER2タンパク質の一部にだけしか働かない分子標的薬

HER2タンパク質(HER2 Protein)の一部にだけしか働かない分子標的薬(Tratuzumab, Pertuzmab)

分子標的薬よりさらに広範囲に働くワクチン

分子標的薬よりさらに広範囲に働くワクチンにより誘導される抗体(Antibodies)

左上よりワクチン接種後4日目、9日目、11日目、14日目、19日目、26日目

左上よりワクチン接種後4日目、9日目、11日目、14日目、19日目、26日目のネズミの癌腫

問題は、ネズミと人間とでは大きな差があること。ネズミで成功しても、人では失敗に終わる治験は多々あるらしい。

あー、ネズミだったらいいのに!

Minnie Mouse

怖いけど、やっぱりやってみたいワクチン治験

免疫機能に大切なビタミンD

樹状ワクチン治験ではビタミンDの値も血液検査で毎回調べるのだという。

説明書によると、ビタミンDが免疫機能に影響することははっきりしているので、ビタミンDの値が低い場合、サプリで補うことが指導されるらしい。

ビタミンDと少量のアスピリンが癌の予防に良いと言われているのは知っていたけれど、個人の免疫力を使うワクチンにビタミンDを絡ませるのは興味深いと思った。

治験は将来治療のため

第一相の治験だから、ワクチンが失敗に終わる可能性も大であれば、放射線被曝量の高いCTスキャンも、全身、胸だけじゃなくて、脳も骨も頻繁に取ることになり、ギニーピッグの感は免れない。

この春、大腸ガンで亡くなられたトリオの荒波さんは、治験参加を選んだ時、将来の患者さんのお役に立ちたいと願ったからとおっしゃったけれど、そう言う気持ちにならないとこの不安は乗り切れないような気がする。

今週の動き

治験の募集人数はわずか65人で、すでに30人が、ワクチンの安全性と適切な接種量を調べる第一相治験パート1に参加している。となると、残りの募集人数は35人。これこそ、もたもたしてると、募集が終わってしまう。

参加できるかどうかわからないけれど、気持ちは益々このギャンブルに傾きつつある。

主治医にこの治験に興味があることを伝えるため、治験先から受け取った資料を転送し、UCLAのハーセプチン発明者スレイマン先生にも意見を聞けるならと、予約希望の電話をした。

そして、もちろん全てをコントロールされる神様には、「これがあなたの御心であるなら、どうぞワクチンのドアを開けてください。」と、祈っている。

「ワクチン治験参加は協力できません」

ワクチン治験の資料を送った主治医からショックな返事が戻ってきた。

「第一相治験だからです。でもこちらにはもっと良い治験(遺伝子テスト適合治験)があります。」

受け取った数行だけのメールを眺めて心が騒ぐ。

主治医から返事を受け取る前日、昨日のこと。

たくさんの分子標的薬を使った私は治験の対象になるかどうか?アーバインの日立で治験を実施しているかどうか?等を尋ねる二度目のメールをNCI(国立癌研究所)に送ったのに、1週間経っても返事がこないけど、もしかして、参加者が満たされ、募集は打ち切りになったのかもしれないと、友達に話すと、ここは大胆になることが大切で、再度問い合わせるべきと、アドバイスを受けた。

今朝一番で、連絡先に書かれていた他の2名も含めて3人に返信催促のメールを送ると、1時間もしないうちに返事が来た。

分子標的薬を使っていることがむしろ治験参加者の条件であること。

ワクチンは個別に作るので、研究所のあるメリーランド州ベセスダだけでしか受けられないとの内容だった。

返事が来たということは、まだ参加者を募集しているということで、治験参加資格もありそう。

ならば、主治医と納得できるまで話し合うべきと、返事を出す。

「ワクチン治験を選びたい理由は

1)副作用の心配が少なく、安全

2)治験まで、治療を中止する期間はわずか2週間のみ

3)効果がある場合、その効果は他の何よりも期待できる

3)効果がなかった場合はすぐやめて、また他の治療に戻れば良い

4)脳転移のない今だから受けられる。(脳転移者は治験対象外)

遺伝子適合テストに乗り気がしないのは

1)治験参加まで10−12週治療を中断しなければならないけれど、その間癌が脳に転移した場合、ほとんどの治験への参加が不可能となる。

2)私の癌が治験に含まれている抗がん剤と適合する確率は非常に小さい。

3)仮に適合したとしても、その薬の副作用や効果については予測ができない。」

対面しながらだったら、食いさがる余裕も勇気もなく、仕方がないと、受け入れていたかもしれない。メールだからできた。

私はただの素人だから、知らないこと、わかっていないことがあれば、素直に受け入れる。でも、これは私の命に関わることだから、納得できるまでは質問し続けなければと思っている。

ここまで書いたら、主治医から返事が来て、来週のミーティングで、他の医師たちの意見を聞いてみるとあった。

考慮してくださるようだ。感謝!

ワクチン治験のドアが開いても、開かなくても、私を愛してくださり、いつも一緒にいてくださる神様を100%信頼している。これが神様の御心であるなら、ドタバタしなくても、奇跡はいつでも起きる。

神様の答えをまた辛抱強く待つ。