May 24th, 2016

次の作戦

ハーセプチンはHER2 陽性乳がんには必須の抗体薬。この薬が開発されてから、それまで予後の悪かったこのタイプの乳がん患者の生存率は画期的に伸びた。
でも、この希望の薬も効果が現れるのは約半数の患者のみで、効果が見られても、いずれ癌に抗体ができて、効かなくなると言われている。

私も、乳房全摘手術前に始めた抗がん剤治療から、今日に至るまで6年間この薬を使い続けてきたわけだけど、タイケルブを加える前の1年間は、癌が進行し、タイケルブを外した過去2年間、再び癌が進行し続けていることを考えると、ハーセプチンは効力を失った、あるいは、効果が最初から最小なのでは?と思えてくる。

CT結果を受け取った時、主治医は次の策として、UCLAのスレイマン先生が推薦してくれたMM302という改良したアドリアマイシンとハーセプチンの治験について「どうか?」と言ってきた。

アドリアマイシンはHER2陽性患者によく使われる薬でありながら、最初の主治医がこれを私に使おうとした時、UCLAの医師から勧められた(TOPO)遺伝子テストで、この薬は私には効果がないという結果が出、今まで一度も使わずに来た。

改良されたとは言え、そのアドリアマイシンと疑問を持ち始めたハーセプチンのコンボとなるとどんなものか?と思い、この治験の全責任者であるテキサスに住む医師にメールを出し、質問してみた。

答えはすぐに来たけれど、「MM302があなたに効果があるかどうかは、遺伝子テストの結果がどうであれ、治験の結果をみるまでわからない。主治医とよく相談して決めてください。」と言う内容だった。

次に、ハーセプチンが効かない場合の治験を探してみた。

昨年考慮した、白血球の一つ、T細胞を強化し、体に戻す注目の免疫療法治験は参加者が満たされたようで、現在は参加者リクルートが中止。

2番目に見つけた治験は、すでに世に出ている脊髄疾患の薬(Jakafi)がハーセプチンへの癌抗体を抑えるという仮説のもとに勧められている治験。でも、これは場所がニューヨークで、最初の3週間は毎週、その後も3週間ごとにクリニックを訪れることが条件になっており、カリフォルニアに住んでいる私には無理。

3番目は、第3相まで来ている、ハーセプチンのように抗体の働きをする新薬Margetuximabの治験。治験の場所もロングビーチと、近くて魅力的だったけれど、治験参加資格に、転移後受けた抗がん剤治療(レジメン)は3つまでとあり、この時点で私は失格。

4番目は、これもハーセプチンに代わる口径新薬Poxiotinibの第二相治験。場所はニューヨークと、カリフォルニアでは、サンフランシスコの北にあるGreenbraeの2箇所のみ。
Poxiotinibは中国が開発した薬で、HER2陽性乳がんの他、胃がん、頭頚部がんへの治験も同時に行われているそうだ。第1相の治験では、今までハーセプチンやT−DM1のようにがん細胞標的薬を持ってしても進行を抑えられないでいた乳がん患者の60%に効果があったと言う。

外来日だった今日、以上の情報を主治医の前に広げ、結局、Greenbraeで行われているPoxiotinibの治験の可能性をもっと探求してみることで同意を得た。

その間、現在のアブラキサンとハーセプチンにタイケルブを加えることにした。

タイケルブは、一般にハーセプチンが使えなくなった時に代理に使う薬だけれど、最近の研究によると、IL-8と呼ばれる薬と併用した場合、がんを増やしていく乳がん幹細胞を抑える効果が、ハーセプチンよりはるかにあることがわかり、ハーセプチンと兼用した場合の効果も証明されている。
(タイケルブとIL-8の治験は探してみたけれど、見つけられなかった。)

過去に2年間、タイケルブをハーセプチンと共にすでに使用した私の場合、この理論が依然通用するのかどうかはやはりやってみるまでわからない。

癌治療は全てギャンブル。でも、次の案が出て、軌道修正できたからちょっと安心。この後も続けて正しいベストの治療へと導かれることを祈る。