諦めたらいけない理由

確率と期待とは相互関係にあるように思う。
プラスの確率が高ければ賭けてみようと思うし、マイナスの確率が高ければ、敬遠したり、肩を落としたりする。

でも、世の中、確率だけで説明できないことが多々ある。

二千年ほど前の金曜日、イエスが十字架刑にかけられて死ぬと、彼を神の子と慕っていた弟子たちの希望も、跡形もなく消え失せた。イエスは死刑後、蘇ると弟子たちに予言していたのにもかかわらず、全ては落胆のうちに終わったように思えた。

かつて、共産国ソビエト領であったルーマニアで貧しいジプシーの子供達を援助するミッションに参加している友人の娘さんが春休みを利用して戻ってきた。

貧しい故に十分な教育が受けられず、教育がないため女の子は12−13で妊娠し、25を超える頃には父の違った子を6人も7人も持つようになり、収入もなく、子供を捨てる。捨てられた子は希望のない生活から逃げるため、学校にもいかず麻薬にはまり、同じサイクルを繰り返す。

彼女の話を聞きながら、世の中、こんな貧困にあえぐ人たちの方が多くて、どんなに寄付を送っても、貧困の終わりなどないんじゃないかと思えた。

癌撲滅は間もなくと言われながら、年月だけが流れている。
期待されている免疫療法の一つ、白血球であるT細胞を強化して体に戻す治験に参加された方の報告によると、改良されたT細胞は、彼女の300種ほどある癌によって異常をきたした遺伝子のうち、わずか2種だけを認知したとあった。

たった2種だけ? 
遺伝子レベルにまで異常をきたす癌の脅威に圧倒され、癌撲滅の日など見ることはできないと落胆する。

でも、でも、金曜日に殺されたイエスは日曜日蘇った。

蔓延する貧困に終わりがなくても、26歳の友人の子は、これからもルーマニアで子供たちを救うための活動を続けたいと強い意志を示した。

T細胞が認知できた遺伝子異常は、わずか2種だけでありながら、この治験を受けた女性の癌は縮小し、彼女はまた生きる希望を繋いだ。

期待が叶う確率がゼロに見えても、あきらめちゃいけない理由があると思った。神は私たちが前進することをいつも願っておられ、そしてそれを助けてくださっているから。

復活祭の今日、死を打ち破り、復活という奇跡をもたらした神の驚くべき技と愛が、限りなくゼロに近い確率を吹き飛ばしてくれるように思え、私の落胆も希望に変わった。

2 thoughts on “諦めたらいけない理由

  1. 一進一退を繰り返しながらも確実に医療は進んでます。和世さん、私も強く応援してます。

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