癌は消えていた!

今日は腫瘍科受診日。

診察室に入って来た医師はいつもの笑顔をみせながら、「安定してるって、結果だったわね。Good Newsよね。」と開口一番おっしゃった。

「確かに癌が成長してなかったのはgood newsですけど、癌がさらに小さくなること期待してました。」と言うと、

「あら、転移の決め手となったリンパ節の癌はみな見えなくなっているわよ。」と、意外な言葉が返ってきた。

我が耳を疑いながら、コンピューターに映し出された報告書を共に見る。

“No significant mediastinal and hilar adenopathy.”

「特異な縦隔及び肺門リンパ節腫脹(=癌)はなし。」

私はこの“No significant”の意味を“No significant change”つまり、癌に大きな変化はなしと解釈していたわけ。私の誤訳。

それがわかって、たちまち気持ちが明るくなった。

気分がすっかりよくなった私は、さらに他の肺の中の小瘤(小さな点のような陰)記述についても尋ねる。

左右両肺のあちこちに、いくつか小瘤が見つかっているが、これらは転移以前のスキャンでも観察されており、その当時からサイズに変化がない。つまり癌でない可能性があり、仮に癌であっても、成長していないことになる。

「観察される癌腫は消えたということです。」と聞いて、目の前がさらに明るくなった。

パクリはまだ効果を発揮していた!

 次のカクテル

癌腫が映像から消えても、まだ目に見えない癌細胞は間違いなく残っているだろう。

癌は幹細胞を持っており、これが、再発や転移を起こすのだと言う。

これが転移前だったら、このまま治療を終了することもできるけど、転移した後では、ずっと治療を継続していかなければならない。

この映像に癌が映らない状態、英語ではNo Evidence of Disease (病気の証拠がない状態)を、これからできるだけ長く保っていかなければならない。

新薬Perjetaについて再び話しをする。

ハーセプチンとドセとの組み合わせに限り、これから転移治療を始める人だけを対象に許可された薬。

一般の保険であれば、この条件から外れたら、保険適応外となるだろう。でも、私の保険は、私が通うカイザー病院の保険。”身内保険”であるから、医師が適切な理由を説明できれば、この枠から外れても保険が適応されるのだという!

ただし、どんな使い方も出来るという訳ではなく、治験で安全性と効果が証明されていなければならない。

Perjetaは6月に認可されたばかりの新薬だから、他薬との相性を示すデーターはほとんどまだない。でも、その少ないデーターの一つに、術前療法でパクリ+ハーセプチン+Perjetaを使用したものがあるらしい。

今私に与えられた選択肢は、現在のハーセプチン+タイケルブ+パクリを継続するか、或は以下の選択肢から別のカクテルを選ぶかどうか。

1)パクリ+ハーセプチン+Perjeta

2)ハーセプチン+Perjeta

3)ハーセプチン+パクリ

4))ハーセプチン+タイケルブ+パクリ以外の抗がん剤

 

「新薬Perjetaを今使うか、後までとっておくか、どうするかですね。」と医師が言う。

私も、今からPerjetaを使ってしまって、効果がでなかった、或は効果が持続しなかった場合、まだ認可どころか、申請さえもされていない次のT−DM1までつなぎ止めるのが難しくなるのは理解している。

でも、癌が縮小したなら、とことん続けて釘を打ち続けたい。癌にスキを与えたくない。そのためには、ここで、転移を許してしまったタイケルブをPerjetaに変更したい。

そう説明する私をみて、医師は、

「強気の作戦ですね。それでは、とりあえあず、パクリ+ハーセプチン+Perjetaで始めて、副作用がどうでるか見てみましょう。副作用が大変なようだったら、パクリを落としましょう。」

と言って、早速薬局にPerjetaがあるかどうか、今日から使えるかどうか調べてくると言って、部屋を出ていった。

診察時間はすでに1時間半にも及ぼうとしていた。こんなにも熱心に話を聞き、そして、理解を示してくださる担当医、Dr. Louに深い感謝の念をいだいた。

数分後戻ってきた医師は、結局、薬局にはまだPerjetaがないので、Perjeta開始は4週間後。次のクルーが始まるときからにしましょうと説明された。

1年半近く飲み続けたタイケルブは今日から中止。Perjetaを始めるまでに、念のため、タイケルブの効力が体から消え去るのを待つことになった。

これで下痢から解放される!

 

—いつも主が道を整えてくださっている。どんなときもそんな主を信頼せよ。—

 

私が命を預けた主が、大きなバリアを取り去り、見えないところに道を開いてくださった。そんな感謝の思いに満たされて病院を出た。

 

 

 

 

 

2 thoughts on “癌は消えていた!

  1. すごい、すごい、すごい!!
    おめでとうございます!!
    よかったー、本当によかった!
     

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