アメリカ病院のイメージ

「お飲物はいかがですか?」

点滴を受けていると、青いジャケットに白いズボンをはいた女の子がカートを押しながら笑顔で尋ねてきた。

カートには様々な種類のジュース、お茶、そしてクラッカーも載っている。

ちょっと、新幹線の中にでもいるみたいじゃん。

と思いながら、お茶とクラッカーをいただく。

彼女は看護婦さんを目指す学生さんで、週に一度、腫瘍科にお茶のサービスをボランティアでしているのだそうだ。

手術の待合室にも同じように無料のコーヒーサービスがあり、入院患者がいる病棟にはグランドピアノがあって、毎日、決まった時間に生演奏がある。これもボランティアサービスだけれど、ピアニストの腕前は最高で、演奏が始まると、あちこちから人が集まってくる。

廊下にはまるで画廊のような絵や写真が飾られ、大きな窓からは、暖かい日差しと共に、緑の庭園の静けさが差し込んでくる。

入院患者を慰問する犬たちの肖像画

ギフトショップには、きれいなリボンをつけたお花や小物、アクセサリー、ぬいぐるみ、そしてバッグや洋服等もセンス良く置かれていて、用がなくても覗いてみたくなるほど。

日本の父がまだ生きていたとき、入院していた病院に訪ねたことがあったけれど、個室といいながら、父の部屋の窓は北向きで、かかっていたカーテンは黄色く色あせ、壁も殺風景で薄汚なければ、天井の灯りは裸電球だった。小さなテレビがあったけれど、有料で、お金を入れなければ映らないと言っていた。廊下に出ると、薬のにおいがプーンと鼻をつき、こんなところに一人でいれられたら、返って、病気が進行してしまう。と、陰気な雰囲気に、何週間も入院していた父を気の毒に思ったものだった。

この病院ちなみに、新館を建てたと聞いたけれど、今はアメリカの病院のように明るく、気持ちよくなっただろうか?

私の点滴日である水曜日は、ファーマーズマーケットの日で、病院の正面玄関の前に野菜やくだもの、菓子パン、チーズ、お花、等を売る露天市がたつ。ギターやサックスフォンの生演奏もあり、病院の駐車場がいっぱいになるというから、この市を目当てだけに来る人もいるのかもしれない。私もここでお買い物をするのが点滴の後のコースになっている。

病気や怪我の治療は決して楽しいものじゃない。だからこそ、少しでも心を癒せるようにと工夫を重ねるアメリカの病院は、ホテルのようにきれいで、居心地の良い所へと変わりつつあるように思える。

おいしいお料理を出してくれるようになったら、それこそ入院してもかまわないんだけど。

日本のデパート地下売り場のような、そんな食堂ができないかなあ!

 

 

 

 

 

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